資金管理ルール
多くのFXトレーダーを悩ませるのが、損切りのタイミングです。
今回は、正しい損切りルールを2つ紹介します。
▼ルール1:
トレードの根拠が崩れるまでは保有
正しい損切りのタイミングは、トレードの根拠が崩れたときです。
上昇トレンドの中で「買い」をした場合は、直近の安値を下抜けして下降トレンドに転換する可能性が出てきたときに損切りしましょう。
逆に下降トレンドの中で「売り」をした場合は、直近の高値を上抜けしたときに損切りします。
「1円動いたら損切り」など、一律で決める損切りルールもNGではないですが、損切りの逆指値注文に引っかかった後に、望んでいた方向へ伸びていくことも少なくありません。
トレードをするときは、チャートがどのような動きをしたらトレードの根拠が崩れるか、事前に整理しておきましょう。
▼ルール2:
一度損切りした後に再チャレンジを狙う
やむをえず損切りした場合も、諦めずに再トレードすればトータルでは利益を出せます。
直近の高値・安値まで値幅がある場合は、ルール1のとおり保有していると、含み損を抱えてしまう可能性があります。
練習中のデモトレードならまだしも、実際のお金が動くリアルトレードでは辛いですよね。
そんなときは一旦損切りして、再トレードを検討しましょう。
「損切り貧乏」の原因は、損切りをした後に諦めてしまい、本来エントリーすべきタイミングを逃してしまうことにあります。
損失に落ち込まず、次のチャンスをしっかり掴むことが、稼げるトレーダーになるための第一歩です。
もちろんその後、再トレードのチャンスが訪れなければ、無理に利益を出そうとせず、損失を受け入れてくださいね。
ルール1の通りしっかり保有するか、ルール2のとおり一旦は損切りして再トレードで利益を出すか。
どちらの損切りルールが自分に合っているか、実際のトレードの中で試してみてください。
エントリールール
トレンド分析(ライン分析)
トレンド分析でエントリーする場合は、次の2つのラインを参考にエントリーしましょう。
水平ライン
水平ラインとは、チャート上で何度も価格が反発している場所に引く水平のラインです。
水平ラインを引くことで他のトレーダーに意識されている価格帯を把握できます。
上のラインをレジスタンスライン、下のラインをサポートラインと言います。
トレンドライン
トレンドラインは、高値・安値同士を結ぶラインです。
上昇トレンドの場合、価格がラインに触れたら買いエントリー、
下降トレンドの場合は、ラインから価格が離れたら売りエントリーのタイミングです。
インジケーター分析
移動平均線
移動平均線とは、一定期間の価格から平均値を計算し、折れ線グラフで表したものです。
この移動平均線において、短期動向を示す線が中長期動向を示す線を下から上に突き抜ける現象をゴールデンクロスと言います。
一般的にゴールデンクロスは買いエントリーのタイミングとされ、発生すると相場が上昇する傾向があります。
逆に短期・中期動向を示す線が上から下に突きぬける状態をデッドクロスと言います。
デッドクロスは典型的な売りのタイミングとも言われています。
RSI
RSIは、「Relative Strength Index」の略で、買われすぎか、売られすぎかを判断するために用いられる指標です。
RSIは、過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計を足した数字で割って、100を掛けたものです。
数値は0〜100で表され、70%以上なら売りエントリー、30%以下なら買いエントリーのタイミングです。
チャートパターン分析
ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは相場の天井を示すチャートパターンです。
2つの谷底で引いたネックラインを下回ると売りエントリーのタイミングとなります。
フラッグパターン
一定期間の高値同士を結んだ上値抵抗線と、下値同士結んだ下値抵抗線が、フラッグ(旗)のように見えるチャートパターンです。
上値抵抗線を上に抜けると買いエントリーのタイミングとなります。
エントリー、エクジットのタイミングなどFXを始めるための知識は習得できましたね。
いよいよFXデビュー!といきたいところですが、最後のFXにおいて重要な心構えを確認しておきましょう。
プロスペクト理論
プロスペクト理論とはシンプルにトレーダーが損をする心理を説明したものです。
早過ぎる利益確定や損切りの先送りといった形で、損大利小を招きやすいトレードルールを明確にし、感情に影響を受けないトレードで克服する
トレードがうまくいかない理由
なかなかトレードの成績が向上しないという悩みを抱え、チャート分析や手法の研究を頑張る人も多いです。
しかし、成績が向上しない原因は、トレード方法ではなく心理的な要因の可能性もあります。
実は人間というのは、特定の状況においては間違った認識をしてしまうこと(認知バイアス)があり、合理性を欠いた判断をしてしまうことがあります。
トレードは判断の連続で、優位性の高い判断を行い続けることが勝つためには欠かせません。
しかしながら、「自分の感覚だけに従って判断を行っていると、優位性の低い方を選んでしまう」というのがプロスペクト理論です。
プロスペクト理論の実験
A:無条件で50万円を得られる権利
B:コインを投げて裏が出た場合に100万円を得られる権利
A:無条件で50万円を得られる権利
B:コインを投げて裏が出た場合に100万円を得られる権利
あなたはそれぞれの質問でA、Bどちらを選んだでしょうか。
選択肢A、Bはどちらも期待値は50万円です。
Aは100%の確率で50万円を得られるのに対し、Bは50%の確率で倍の100万円を得られます。
しかし、残りの50%の確率で1円も得られないことになります。
ようするに、Aは堅実な選択肢、Bはギャンブラー的な選択肢です。
実はプロスペクト理論の実験でこのような質問を行ったところ、質問1と質問2で大きく異なる結果が得られました。
質問1:Aを選択した人が圧倒的に多い
質問2:逆にBを選択した人の方が多い
つまり、借金を負っている状態の方がリスクを積極的に引き受けやすいことがわかります。
これがいわゆるギャンブラー的心理状態を生み出している原因です。
含み益と含み損は感じ方が違う
この結果をトレードに置き換えてみます。
質問1でAを選択するのは、ポジションに含み益があり、すぐに利益確定する状態に近いです。
一方、Bは、既に含み益がある状態で、損する可能性があるにも関わらず、更に利益を伸ばそうとしている状態です。
同様に、質問2についても考えてみましょう。
「100万円の借金を負っている」というのは、ポジションに含み損がある状態です。
質問2でAを選択するのは、相場が逆行して含み損を抱えている際に、損切りの判断を行うことに近いです。
一方、Bは、相場が逆行して含み損を抱えている際に、更に損する可能性も考慮しつつ、相場が元に戻るのを待っているような状態です。
一般的な人は質問1ではAを、質問2ではBを選択しやすいということからは、トレードにおいては次のような癖が起こりやすいことがわかります。
・含み益が発生すると、利益を伸ばす前にエグジットしてしまいやすい
・含み損が発生すると、損失がゼロになるまでポジションを引っ張りやすい
このように、含み益のときと含み損のときでは、トレーダーは選択する行動が変わりやすいです。
感覚だけに頼ってトレードしていると、利益は小さくなり、損失が大きくなってしまいやすいので要注意です。
皆さん、長い間お疲れ様でした!
トレーダーの心構えもわかったところでいよいよFXデビューのお時間です!
実践はまだ不安。。。という方はぜひデモトレードにもチャレンジしてみてくださいね!
皆さんが有意義なトレーダー生活を送れるよう応援しています!