相場を予測することは不可能。効率的市場仮説について
人間の感覚でトレードをすれば負けるようになっている
生き残ることを考える
なぜほとんどの人はFXで勝てないのでしょうか。
これから上がるか下がるかがわからないからでしょうか。
損切りが下手だからでしょうか。
実はそうではないんです。
上がるか下がるかなんて分かる必要はありません。
上がるか下がるかを考えてしまうのは、相場を予想しようとしているからです。
どこがいいエントリーポイントで、どこが損切りすべきポイントかなんて後になってみないとわかりません。
ほとんどの人は、勝てない理由を「相場が読めないから」と考えているかもしれませんが、これは間違いなのです。
相場は誰にも絶対に読めません。
もし相場を予測する方法があるのなら出回りませんし、出回ったのなら一瞬でその方法は飽和してしまいます。
これを効率的市場仮説といいます。
効率的市場仮説とは、市場に出回った情報は瞬時に相場に織り込まれる、とする学説です。
いつ、どんな情報が出てくるかわからないし、出てきたその情報に対して市場がどのような反応を見せるのかもわからない金融市場で、自分だけが他を出し抜いて相場の予想をすることは不可能、というものです。
では、相場は読めないもの、つまり予測できないものであれば、どのようにトレードするのでしょうか。
勝つことを考えない
結論から申し上げると、個人トレーダーが金融市場でできることは、リスク管理の徹底です。
相場が読めないとわかっている以上、トレードの考え方は攻めではなく守りであるということです。
しかし、FXといえば、レバレッジを使って積極的に利益を狙っていくというイメージがあるかもしれません。
生き残っているトレーダーたちは、攻めのためにレバレッジを使っているのではないのです。
レバレッジは守りのために使います。
本来レバレッジは高ければ高いほど安全なのです。
ん?????
と、はてなマークがたくさん付いている方もいるかも知れませんが、読み間違いでもなければ私の入力ミスでもありません。
レバレッジは資金を守るために使う
レバレッジは資金を守るために使うのです。
ピンと来ない方が多いかもしれませんが、ある意味それは普通かもしれません。
なぜなら一般的に出回っている情報や教材では、レバレッジは危険なもので、攻めに使うことしか教えていないからです。
そして、もう一つ大きな勘違いをしていることがあります。
それは「エントリーのための勉強」しかしないということです。
初心者はエントリーのための勉強しかしてない
どこで上がるか、どこで下がるか、それを分かるようになろうとしている人がほとんどです。
効率的市場仮説でもあるように、どこで上がるか下がるかは絶対に誰にもわかりません。
少し考えてみると、ロングエントリーの後に上がれば利益になり、下がれば含み損になります。
当たり前のことではありますが、利益のときに決済をすれば利益確定になり、含み損のときに決済すれば損切りになります。
つまり、エントリーは、決済のタイミングによって利益にもなれば損にもなるわけです。
どれだけ完璧に見えるエントリーを行ったところで、利益確定をしなければ利益になりません。
逆にどれだけ含み損を抱えたとしても、損切りをしなければ損にはならないのです。
しかし、FXを勉強している人たちは、エントリーの勉強ばかりで、利益確定や損切りはないがしろにされがちです。
人間の感覚でFXをすれば必ず負ける
初心者がエントリーをするときは、利益を出すことを考えているため、希望に満ち溢れた心理状態となっています。
しかし、エントリー後は含み益になったり、含み損を抱えたりと、損益が増減します。
こうなるともう冷静に見ることはできません。
人間は金銭が絡むと、全く合理的に動けなくなってしまうことが行動ファイナンス理論によって明らかにされています。
わかり易い例では、利益が出ているときは早く利益確定をしたくなってしまい、損をしているときは損切りをしたくないという心理が働きます。
これは損大利小となり、これを続けていると資金は無くなっていきます。
本来は損切りは小さく、利益を大きく取る、損小利大にならなくてはいけません。
もちろん、絶対にこうしなければいけないというわけではなく、利益が小さくても著しく勝率を上げて、大きな損に負けない利益を積み上げるなどすれば問題はありません。
どれだけ勝率良くてもどれだけ利益を積み上げても、1回の損失で口座を失くしてしまうほどの損失を出してはいけないのです。
トレード手法は、無数に存在し、それぞれに一長一短があります。
どの手法やスタイルがいいかは、それぞれの性格や資金量、生活サイクルにもよるので、「人による」としか言えません。
それでも共通して言えることは、絶対に退場しないようなトレードをしなくてはいけないということです。
しかし、退場する原因のほとんどが、こういった1撃の大きな損失なんです。
むしろ小さな損失を繰り返したことによって、口座残高を失くしてしまうことは無いといってもいいかもしれません。
そして、口座を溶かしてしまう大きな損失というのは、レバレッジを攻めに使った場合に起こります。
まずは生き残ることを考える
負けないということは、生き残るということです。
FXの世界では生き残ることが全てとなってきます。
大きな利益を生み出すことにほとんど意味はありません。
むしろいつか退場するリスクが高まるだけです。
生き残ることがどういうことかを考えてみてください。
FX市場に新しく参入してくる人間は全員初心者なわけです。
その初心者はほとんど皆同じ勉強をするので、同じ知識しかありません。
そして、初心者のトレード手法もだいたい同じです。
つまり、誰が負けているかというと、新しく参入した初心者です。
初心者に足りないのは何かというと、生き残る術です。
それ以前に、生き残る重要性を本当の意味で理解していないのです。
ご存知の通り、市場参加者の9割が負ける世界です。
ここで9割が負けているからといって諦めるのではなく、むしろチャンスであると考えるべきです。
なぜなら、負ける原因はこれまで説明してきた理由で負けるからです。
なぜ生き残れないのか、なぜ退場してしまうのか、という理由を知っているだけで知らない人より圧倒的に有利となります。
なぜなら、原因がわかっていれば、対策ができるからです。
繰り返しますが、FXをする上で生き残るということが、いかに重要かを理解しなくてはいけません。
理解して初めて意識してトレードできます。
知識としてではなく、本質的に理解しなくては知っていることにはなりません。
初心者はハイリスクトレーダー
初心者のFXのイメージは、ハイリスク・ハイリターンです。
こういったイメージの中で、初心者は生き残ることを最優先に意識できません。
いかに利益を出すかということにしか興味がないわけです。
差を付けられるのはここです。
ここにフォーカスしてトレードをしていけるのであれば、生き残ることができます。
生き残ることができれば、あなたが手をくださずとも周りのトレーダーは勝手に退場していきます。
そして新しく参入してくるトレーダーは初心者です。
もうおわかりですよね。
あなたは生き残る術も知識も重要性も知っていますが、これを知らない初心者は、いくら手法の勉強をしていたとしても、稼いでやろうと意気込んでいる超ハイリスクトレーダーなのです。
生き残る術を心得ている皆さんが、そんな初心者に負けるわけがありません。
初心者は手法の勉強しかしていないので、メンタルは貧弱です。
少し損失を被るとすぐに心が折れ、ヤケクソになったり、いい加減なトレードになる傾向にあります。
規律あるロジカルなトレードには程遠い状態です。
くどいようですが、市場のほとんどが初心者です。
初心者には知識も無ければ経験もありません。
そして、生き残ろうという意識ではなく、稼ごうと前のめりになっているのです。
まずは稼ぐことを意識するのではなく、負けないこと、生き残ることを意識してトレードをすることで、本来の目的である「稼ぐ」ということに結果的に早く近づくことになります。
そして、知らず知らずのうちに、あなたと一緒に始めた人たちはいなくなり、あなたはいつのまにかFX界の上位に位置しています。
非常に長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただけたあなたには、いかに退場せずに生き残ることが、FXにおいて大切かを理解していただけたと思います。
今後もあなたにとって有益となる情報を配信していくので、今後も是非読んでいただけると幸いです!
では、次のコラムでお会いしましょう!