目次
- 根拠がないトレードに欠けているもの
- 初心者の悩み 感覚トレードから脱却するには
- 具体例つきで相場における考え方を解説
- まとめ
根拠がないトレードに欠けているもの
トレード根拠=再現性
FXでは通貨が上がるか下がるかを予想してトレードを行いますが、価格の推移を大別すると「上がるか、下がるか、横ばいか」になってくるわけです。
その他の投資対象と比べて単純明快な印象も受けますが、そこでは様々なトレーダーの思惑と共に価格が推移しており、当然ですが未来はどうなるか分かりません。
このような相場の中で、感覚だけでトレードをしている人とトレード根拠を持った上でトレードをしている人で違いが出てくるのが、再現性です。
例えば、ある一定期間にフォーカスした時、その瞬間で勝っていたとしても、それを再現できなければ徐々に資金を失い退場となってしまいます。
今回はその再現性の根幹を成すトレード根拠について解説していきます。
トレード根拠が必要な理由
- 値ごろ感によるギャンブルトレードが減る→損失回避
- 過去トレードを分析し改善する→勝率向上
- トレード根拠に一貫性を持たせる→期待値向上
相場は様々な思惑を含みつつもランダムウォーク(無作為)に動きますが、その中でも値動きに方向性や傾向は出てくるものです。
例えば、レンジ相場やトレンド相場などそれぞれの相場に適した手法を選べているのか、その他にチャートパターンやファンダメンタルなど、明確な根拠を持った上で毎トレードを行う事で、値ごろ感で売り買いするトレードは少なくなり、期待値の高いトレードが増えてくるでしょう。
また、FXでは勝率九割を超えても一割の負けが大きいとトータルではマイナスになり得るので、余計な損失を出さない事は絶対条件になってきます。
なので、エントリーからエグジットまでの一連の流れで、まず初心者が意識したい事は勝率を高めることよりもリスク(損失)とリワード(報酬)のバランスを考えたトレードを行い損益率(リスクリワードレシオ) を高めることが先決だと考えます。
初心者の悩み 感覚トレードから脱却するには
トレード根拠の中身
実際にチャートを前にした時、まず考えるべきポイントはこちらです。
・通貨ペア(取引量、ボラティリティ、スプレッドなど)
・取引時間(相場が活発化しやすい時間帯を狙う)
・チャートパターン(チャートの形から相場の傾向を分析)
・ライン(チャートの動きを大局的に見て分析)
・インジケーター(チャートが示す意味をビジュアルで分かりやすくするツール)
・ファンダメンタルズ(国の金融政策や経済状況など)
・アノマリー(合理的な説明は難しいがよく起こる事)
当然これら全てを網羅した上でエントリーするというのは現実的ではありませんが、最低ラインとして2~3つの根拠をもってトレードを行うのが理想です。
ただ、相場を多角的に分析するためにも、それぞれのポイントの意味と使い方をマスターしておく事は重要です。
トレードルールを確立して遵守する
いざ根拠をもってトレードに挑んだとしても、初めのうちは少しの損失で他の手法に目移りしたり、利確損切りラインの判断もつかないかも知れません。
スポーツで言う[型]と一緒で、一朝一夕で身につくものではありません。
トレードルールを確立させるために、初めは少額でトレードを行い、その結果をもとに分析を繰り返して精度を上げていきましょう。
具体例つきで相場における考え方を解説
例
有名なイベントで「米国雇用統計」がありますが、発表は速報ニュースになるほど重要度が高く、発表直後には相場が乱高下し数分の間に米ドル/円(USD / JPY)のレートが1円以上も動くことも珍しくありません。
ここでは簡単に、発表直後に相場がどちらかの方向に傾倒した瞬間を狙うAとどちらかに傾きすぎた相場の戻りを狙うBを例に、それぞれの場面によるトレード根拠の考え方の一例を解説します。
A)
「ファンダメンタルズ分析」雇用統計の結果によって高安が決まるので雇用統計の中でも重要な3指数を分析
「取引時間」原則として、毎月第1金曜日の22:30(夏時間では21:30)に発表
「通貨ペア」注文が急増することでスプレッドが大きく開くことも考慮する
B)
「ライン」長期足で見て抵抗帯を目処に反発すると分析
「インジケーター」RSIなどで相場の過熱感を見る
「通貨ペア」注文が急増することでスプレッドが大きく開くことも考慮する
このようにトレードの狙いや外部環境によって変化しますが、主となる根拠をサポートする形でいくつかの分析を進められると良いでしょう。
また、単純に相場が重要指標によってどちらかに寄っているからといって「逆張りトレード」とそれだけで決めつけてしまうのは好ましくありません。
意識されやすいトレード根拠
・金融政策の転換時→一方向に大きくトレンド形成される傾向あり
・ブレイクアウト→相場がもみ合っている局面で節目のラインを越えるとトレンドが出やすい
・直近高値(安値)を超えた時→天井または底打ち局面でないか注意が必要
トレード根拠を重ねていくほどエントリーできる回数は減ります。
ただ、慣れてくれば時間帯によって取引量の多い通貨ペアを選んでトレードすることもできるので、焦らずに検証を繰り返すことが大事です。
まとめ
・トレード根拠を基に再現性のあるトレード
・勝率よりも損益率を意識したトレード
・いくつかの根拠を組み合わせてトレードを行い検証を繰り返す