損切できないのはなぜダメなの？

突然ですが、FX業界で常に言われているのが「失敗の殆どが損切りできないことだ」ということです。

本教室でも、損切の大切さは何度か触れたことがあると思います。

ただ、このことに触れると必ず出てくる疑問が「相場はいつか戻るでしょ？」「戻ってから決済すれば損失ないでしょ？」というものです。

実際にこのような質問をしてくださったユーザーの方は何人かいらっしゃいます。

そこで、本コラムでは損切に関して徹底解説していきたいと思います。

人は本能的に損切ができない

人はそもそも、自分が損をしている状態を非常に嫌がる傾向にあります。

この心理状態が働く理論のことを、「プロスペクト理論」と呼びます。

この理論を端的に言うと、「人は利益を得られる場面ではリスク回避を優先し、損失をこうむる場面では損失を回避する傾向がある」というものです。

これを投資に当てはめて説明します。

利益が出ているとき

この場合、「今を逃したら為替が下がって利益を逃すかもしれない」という考えが働きます。そのため、利益が出ている今のうちにそれを回収してしまおうと考え、利益を確定させてしまいます。

損失が出ているとき

この場合、「少し待てば戻って損失がなくなるのではないか」という希望的観測が働きます。そのため、損失が膨らむリスクを負ってでも損失が出ないほうに賭けようと考え、そのまま待ち続けてしまいます。

以上のように、人は損失を基準にして物事を考えてしまいがちなのです。

損切りしなければいけない理由

先程の話をいつかは戻る可能性があるなら、なんで損失を確定させなきゃいけないの？と考える方は多いのではないでしょうか。

しかし、「いつかは戻る」は時として致命的な損失を生み出す、もしくは負のスパイラルに陥ってしまうことがあるのです。

①　致命的な損失

相場は常に上下を繰り返すため、下がることもあれば上がることもあります。

自分が含み損を抱えているとき、「そろそろ上がる」と考えがちですが、当然そのまま下がり続けることもあります。

その状態が続くことで、ロスカットが執行されてしまい、資金不足により投資市場から退場せざるを得なくなってしまう、という事態が生まれてしまいます。

こうなってしまっては、損失を取り戻す手段がありませんよね。

②　負のスパイラル

単にロスカットを食らってしまうならまだいいですが、それよりも怖いのが、「泥沼にはまってしまう」事です。

一回大きな失敗をしてしまうと、その状態を嫌い、リスクをとってでも損失分を解消しようとするのです。

これが成功すればいいのですが、必ず成功するとは限りません。失敗すれば、更に損失が膨らんでしまいます。

仮に成功したとしても、その後に再び大きな損失を出してしまうことも考えられます。そうなったときに再度成功するとは限りません。

損失を取り戻そうとリスクを取り、再び失敗してしまう。これを続けることで、投資金がどんどん増えてしまい、結果として莫大な損失が生まれてしまう。

これが最も怖いことです。気が付いたときには生活費、挙句の果てには消費者金融に手を出してしまっている、なんてことになりかねません。

これは最悪のケースですが、負のスパイラルに陥って投資金をすべて失ってしまうリスクは誰にでもあるというのは頭の片隅に入れておきましょう。

損切りするにはどうすればいい？

ここまでで損切の重要性について述べました。

しかし、本能の領域であるプロスペクト理論を覆すのは、一人の力では正直難しいです。

では、どのようにすれば損切りできるようになるのでしょうか。

①　予め損切ラインを設定する

いくら損切したほうがいいとはいえ、損切ばかりしていたら利益を出すことができません。

予め、「この額の損失が発生したら損切をする」というラインを設定しておきましょう。

初心者の方の目安損切ラインは、1%程度が最大です。これは取引スタイルによっても変わりますので、ご自身の中でベストなラインを考えておきましょう。

また、これと同時に利確ラインも設定しておきましょう。利確と損切のバランスは3:1がベストです。

②　逆指値注文を設定しておく

いくら自分でルールを構築したとしても、その通りに取引できなければ意味がありません。

しかし、手動のみで取引していると、設定したルールを守れないこともあります。

それを防ぐために、注文時に「いくらの損失が発生したら自動で決済する」という注文を前もって設定しておくことができます。

これを「逆指値注文」といいますが、初心者の方から上級者の方までこの注文方法は幅広く活用されています。

損失を最小限に留めておくためにも、逆指値注文はぜひ活用するようにしましょう。

③　自動売買を活用する

初心者の方だと、そもそもエントリーポイントもわからないから、どの程度に損切ライン/利確ラインを設定すればいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

そんな方々の強い味方になってくれるのが、「自動売買（システムトレード）」です。

システムトレードを利用することで、予め自分が設定したとおりに自動で注文をしてくれるようになります。

エントリーにも不安がある方は、是非一度試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、損切の重要性と損切ができない理由、そして設定方法に関して触れていきました。

損失が損失を呼ぶという、負のスパイラルのメカニズムは理解できましたか？

たった一回のトレードで損失を生み出してしまうのは、仕方のないことです。

FXでは全体で利益を上げればいいので、分が悪いトレードだと感じたらすぐに決済をし、損失を最小限にとどめる意識を持ちましょう。

極端な話、勝率25％でもその利益を大きく伸ばしていけばいいのです。

なにも意識しないと本能的に損切を避けてしまうので、「損切は大事なことである」という意識を常に持って取引するようにしましょう。

外為オンラインはiサイクル2トレードという初心者にとっても使いやすい自動売買のシステムを提供しているFX会社です。

これを機に外為オンラインでFXを始めてみてはいかがですか？