- トルコリラ大暴落事件の解説
- スワップポイントとは
- 注意点と運用ポイント
既にFXをされている方にとっては、大事件だったと言えるトルコリラの大暴落。
トルコリラは金利が高い通貨として有名で、スワップ運用の方には馴染みのある通貨なのではないでしょうか。
そのことに関連して、今一度スワップ運用をする上で、何が危ないのか、どうすれば安全に運用できるのか、といったリスク管理の面から今回はお話していこうと思います!
トルコリラ大暴落事件
なぜ、今回トルコリラが暴落することになったのか、要因は大きく分けて2つあります。
トルコ経済が悪いから
一言で説明すると、「トルコ経済が悪いから」ということになります。
もちろん、トランプ大統領との経済戦争も大きな要因の一つです。
2018年7月に大統領選があり、現在のエルドアン大統領が当選しました。
当初、市場は金利の引き上げを予想していましたが、金利は引き上げられることなく、据え置かれました。
そのことにより、トルコリラが下落しました。
政治問題
クルド人へ武器支援を行っているアメリカに対して、トルコは「テロを助長することになる」ということから、対立関係にあります。
また、お互いの国のビザの発給を停止したり、トルコがアメリカの牧師を拘束するところまで発展し、緊張関係が更に高まりました。
アメリカは制裁を課すと発表し、そこから鉄鋼、アルミニウムを始めとする関税の報復合戦が始まり、トルコリラの暴落へと繋がっていくことになりました。
トルコリラの暴落からの波及により、新興国通貨が軒並み全面安となり、いわゆる高金利通貨のリスクを改めて感じることとなりました。
このことからも分かる通り、ファンダメンタルズに大きく影響を受けます。そのため、テクニカル分析よりもファンダメンタルズをしっかりと確認する必要があります。
スワップポイントとは
高金利通貨をロングすることで得られる「スワップポイント」についてのおさらいです。
スワップポイントとは、低金利通貨と高金利通貨の金利差で得られる利益のことをスワップポイントと呼びます。
スワップポイント狙いのいわゆるスワップ運用をしているトレーダーは、日本円などの低金利通貨を売って、トルコリラなどの高金利通貨を買うということをしています。
よく間違えられる「スワップ金利」という言葉がありますが、「スワップポイント」とは全く違う意味となってしまうので注意しましょう。
注意点と運用ポイント
よくネットには、「スワップ運用で不労所得を得よう!」「スワップ運用ならFXは怖くない!」などの謳い文句がありますが、当たり前のようにそんなにうまい話はありません。
まず、そもそもスワップ狙いのトレードの場合、スワップポイントを貰うために「高金利通貨を買う」ということしかしません。
つまり、スワップポイントを狙う場合、高金利通貨は、貰えるスワップポイント以上の損失が出るような値下がりはしない、という前提のもとに行われるわけです。
しかし、その前提が成り立つのであれば、なぜその通貨は高金利なのでしょうか?
答えは簡単です。
通貨としての信用がなく、下がる可能性があるから金利が高く設定されているわけです。
つまり、高金利ということは、それだけ値下がりする可能性がある、ということを忘れてはいけません。
そして、今回のトルコリラ暴落によって、多くのトレーダーがロスカットされることとなり、退場していきました。
もし、ロスカットされてしまっても続ける、という芯の強い方は失敗から成長することができるかもしれません。
もちろん、新しくFXの世界に足を踏み入れてくる初心者よりも、失敗した人は経験値が高く、生存率が高いとは言われています。
しかし、ダメだとわかっていても、同じ失敗を繰り返す人間心理も存在します。
これまでも高金利通貨は幾度となく暴落してきましたが、その度、ロスカットに見舞われるトレーダーは後を絶たないわけです。
高金利通貨を売る判断ができ、実行できるというのは、相当熟練したトレーダーということになります。
そのため、スワップ運用を夢見てFXへ参入した経験値の浅いトレーダーは、高金利通貨の暴落時には、軒並みロスカットを食らう事になってしまうのです。
高金利通貨であるというリスクを自覚する
取引ロットを大幅に小さくする
テクニカルよりもファンダメンタルズ
スワップ運用のポイント
・ 取引ロットを大幅に小さくする
・ テクニカルよりもファンダメンタルズ
今回はリスクの話をしてきましたが、リスクを抑えてスワップ運用をすれば、これほど魅力的なトレードスタイルはありません。
リスクをしっかりと理解することで、スワップ運用をする資格を得られるわけです。良い面だけに目を向け、軽い気持ちで参入した初心者とは違います。
今回お話したポイントを抑え、魅力的なスワップ運用をしてみてください!