FXを少しでも学習した人なら誰でも聞いたことがあるであろう、スプレッド。売値と買値の価格差のことですが、殆どのFX会社では「原則○○銭!」という表示がされています。
なぜ原則という言葉を使っているのでしょうか。ここにはスプレッドのカラクリが存在します。スプレッドは常に同じ値ではなく、時には広がりを見せることもあります。
今回のコラムでは、このスプレッドについて詳しく解説していきます!
スプレッドが広がるのはなぜ?
1.流動性が低い
流動性とは、資産を貨幣に交換できる可能性の度合いを表し、取引の成立のしやすさを指します。
これは、取引市場に参加している人数によって決定されます。市場参加者が多いほど取引も成立しやすく、流動性が高いといえます。
逆に、市場参加者が少ないと取引が成立しにくく、流動性が低い状態と言えます。
取引量が非常に多いドル円のスプレッドが、非常に狭いのはここに理由があります。
また、日本時間の早朝は市場参加者が非常に少ないため、スプレッドが広がる傾向にあります。
2.為替レートの急激な動き
為替相場は、時に急激な変動を起こすことがあります。
国際的な事件やテロ、大統領発言などの突発的なニュースによって、特定の通貨の人気が急変します。
イギリスのEU脱退時にポンドが急落した事例などは、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
このような事態でも、スプレッドは拡大します。
ある通貨が急落すると、その通貨を売りに出す人が非常に増え、偏った取引状況になります。
注文が一方に偏ると取引成立が困難になり、流動性が低くなります。これにより、スプレッドが広がってしまうのです。
また、もう一つの原因はロスカットの誘発があります。
価格変動が激しいと、それがどこまで続くかは誰にもわかりません。
最悪の場合、変動スピードにロスカット執行が追い付かずに、顧客が元本以上の損失を出してしまうケースが発生し、その損失分を顧客から回収できなくなる可能性が高まります。
このような最悪のケースを回避するために、スプレッドを広げてロスカットをできるだけ早くするようにしています。
2019.01.03、急激な円相場の上昇
三が日の最後、1月3日に円相場が急変動する事象が生じました。
わずか5分間で1ドル108円後半から103円台にまで下落を引き起こしました。
ここまで短期間でドル円が大変動することは珍しいケースで、多くのトレーダーが強制ロスカットに追い込まれる事態になりました。
この超短期間の大変動により、各FX会社のスプレッドも大きく開きました。
中には200pips以上のスプレッドを記録したFX会社も存在します。
このような状態を見ると、原則0.3銭は非常時には全く役に立たないことがわかります。
しかし、この相場大変動の時こそFX会社の力量が丸裸になり、本当にスプレッドが狭い会社を見極めることができます。
【本件でのドル円スプレッド比較】
最安値をつけた時のスプレッドを比較したランキングは、以下のようになります。
順位 | FX会社 | スプレッド |
1 | SBIFX | 0.2~ |
2 | FXプライム | 2.6 |
3 | YJFX | 4 |
参考 | 楽天FX | 97.4 |
1位のSBIFXは、条件付きとはいえスプレッドが0.20銭~であり、大変動時にもブレません。
また、この値は相場によって変わってくるので、順位が絶対というわけではありません。ただ、スプレッドが開きやすい、開きにくいという目安にはなりますので、是非参考にしてください。
相場変動に強いFX会社は?
大きく相場が変動する時には、利益を出すチャンスである一方で、スプレッドの拡大を招きます。
相場変動時を狙って取引する方は、以下のFX会社で取引し、コスト削減に取り組んでみてください。
1.SBIFX
まずは少額で取引を始めたいという方にとって、SBIFXにスプレッドで勝るFX会社は存在しません。
今回の大暴落でもスプレッドは殆ど変動せず、スプレッドの狭さは業界最狭水準です。
まずは少額で試してみたい、という方には最適なFX会社です。
2.FXプライム byGMO
FXプライムのスプレッドは、通常時がドル円0.6銭と提示されているなど、業界最狭水準と言えるわけではありません。
しかし、固定率100%を誇るスプレッドの強靭さと、スリッページが生じないサーバーの強固さの2つは、全体で見るとFX取引のコストを大きく下げていることに繋がります。
スプレッドが拡大しやすい超変動相場では、結果的に最もスプレッドが狭くなっている、ということもあります。変動時スプレッドが気になる方は是非お試しください。